先週、韓国の河回村(ハフェマウル)へ行ってきました。
韓国の民家と言うとオンドル(温突)です。
所謂、床暖房です。
体験してみたくなり行ってきました。
北村宅(プクチョンテク)という村の中でも一番格式の高い民家に宿泊。なんと270歳の家です。
このプクチョンテクはこの村で唯一の二階建てだそうです。
その他は歩き回りましたが平屋、そして一般民家の屋根は藁葺きでできています。
この民家は中庭があって、それを挟みながら母屋に女性が、そして今回泊まった和敬堂などに男性が寝ていたとのこと。男女別々で寝ていたそうです。
この形式の家は大きく二つの部屋あります。
一つは温突部屋。
床・壁・天井とも和紙が貼られ、開口も大きくは取らず、安心感を得られる内部空間。
床は豆の油を塗ってコーティングしていて、ほんのりとオンドルの温かさ伝わります。
オンドルって何ですか。という話ですが、外の窯があって料理などで窯に薪をくべています。
その時出る煙を床下に流して、床下に埋められた石版に蓄熱させて室内を温めるというシステムのことです。
それぞれのオンドルに煙突がついていて、そこからもくもく煙を排出しています。
主人によると床は温かく、頭は冷えているから、頭寒足熱でとても体によいサイクルをもたらしてくれると言っていました。
オンドル部屋は冬型・安息・穴ぐらのようなイメージ。
もうひとつは抹楼(マル)という空間。
オンドルとは対照的な部屋です。
障子がついていますが、開放すると自然と限りなく近い外のリビングのよう。
建具が工夫されていて釣り上げて開放することができます。
床は高床式なっていて、風通しがとても良いです。
この質の違う2つの空間を季節や用途、目的に応じて使い分けたり、時には繋げてみたりして、
心地良い場とつくって過ごしていたのが想像できます。
縁側も付いていて、自然とゆるやかに関係性をとっています。
日本の田の字型の民家は外から内へゆるやかにつなげている空間構成ですが、
韓国の伝統民家は縁側は共有しながらも性質の違う場がひっついて興味深いです。
日本的な開放性と欧米的な抱擁感のある空間を持ち合わせているような。
そんな印象を受けました。
一夜でしたが、古人の知恵を体感できたいい旅になりました。
-設計工房フウカ-
奈良県生駒市を拠点に主に住宅設計を中心に活動する一級建築設計事務所。
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