イタリアも最後の都市ヴェネチアに到着。
サンタルチア駅からヴォバレットに乗って、運河を下りサンマルコ広場へ。
ホテルへチェックインし、サンマルコ広場に隣接するオベリッティのショールームを見学に行きます。
小さい空間ながらスカルパらしいデザインを見ることができます。
エントランスのガラス越しに黒の大理石の水盤、ヴィアーニ作の金色の彫刻が見えます。
ちょろちょろと空間に水の音が響きます。
床には水色や黄色、赤色のガラスモザイクのタイルが埋め込まれています。
ひとつひとつが形が違い、色のムラ感、手で書いたような温もりのあるかわいい表情。
ヴォイドに流れるように滝のように流れる大理石の階段があります。
なめらかに上へと誘われていきます。
壁のスタッコと天井の木の取り合いのディテールが美しい。
こんなに優雅に自由につくられた階段は然う然うないのではないでしょうか。
中心のヴォイドの両脇に浮いた通路が架けられ、それに沿うように展示されています。
二つの通路のレベルはそれぞれ切り替わる部分が違い、腰壁の感じ方に変化がありおもしろいです。
美しい立体的な格子窓。
ちがった部材の寸法を組み合わせています。
格子窓を開けるとアーケード空間、サンマルコ広場と視界は抜けていきます。
出窓を使いながらうまく町との連続性と光を呼び込んでいます。
続いてクエリーニ・スタンパリア美術館へ。
細い水路に面した美術館で橋を通って美術館に入ります。
写真のスカルパ設計の橋です。スチールのアーチの上に板を載せ構成せれています。
スカルパらしい手すりのデザインも特徴的です。
こちらの入り口は使われておらず、広場の方にメインエントランスがあります。
スカルパは1階の一部と庭園の設計をしています。
運河の環境を引き込み一体となった空間。
ゴンドラの通り道のようで、ゴンドリエーレの歌が聞こえきたりします。
水面の満ち干きによって階段も水中に入ったり出たりします。
水中に階段が続いているような光景をヴェネチアを歩いていると見ることができます。
風土の特色がスカルパのデザインに反映されています。
天井のグラッセロの漆喰が庭園の緑の色を引き込んでいて美しい。
建物に囲まれた静かな庭園。
水路的なものと、水盤的な2種類の設計を見ることができます。
大理石を研ぎ出して水が迷路に迷い込んだように溜まったりしながら流れていきます。
水の流れまでデザインしていて見とれてしまいます。
水の通路の先には鹿威しのようなデザインの真鍮でつくられたもので大理石の鉢に水をおとしています。。
先は回転するような仕組みになっており、水の音が変わります。
こちらは水盤がつくられています。
銅の水盤から水が湧き出ていています。
埋め込まれたタイルがきらきらと光ってきれいです。
スカルパが設計したエントランス部分。
ドアの前の石のステップで方向が変えられていて、人をどこで視線を変えたいのかが設計されています。
丁寧に象嵌された石のモザイクの床も美しい。
明日はヴェネチアビエンナーレへ。
-設計工房フウカ-
奈良県生駒市を拠点に主に住宅設計を中心に活動する一級建築設計事務所。
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