ポルト一日目の朝。
昨晩、リヨンからのeasy jetの出発が一時間半遅れ、ポルトの空港に着いたのは日が変わり、12時過ぎ。
迷わず、タクシーに乗り込みホテルまで一直線。
見知らぬ街に夜着いて不安な時間を過ごしホテルに無事チェックインした安堵感は何とも言えないです。
今日はポルト出身のアルヴァロ・シザの建築をいくつか回るのですが、、、縁がないと言いますが下調べ不足と言いますか、なかなか難しい状況に陥ります。
メトロのブルーラインに乗ってSenhor de Matosinhosで下車。
そこからバスに乗ってレサのスイミングプールに向かいます。
ポルトガルの人はとても親切で「どこへ行くの?」「なんか困ってる?」など良く声をかけてくれます。
いろんな人に助けられ無事にスイミングプール前で下車。
少し歩いてくると見えてきました。
海と一体となったようなスイミングプール。
それよりも、あれ、やってない?
どうやら撮影中で貸し切りのようです。
水平線に近いスイミングプール。
海に近いというかよく見ると波が打ち寄せ海水もどんどん入っています。
プールに入りながら見る海は目線がさらに低くなって良いのだと想像できます。
道路面より更衣室などの建築は下がっていて、スロープを降りてプールへ入っていきます。
道路からの海への風景を遮ぎらず、道路と海をうまくつなげて導いています。
テラスでビールを飲んだりするのも気持ちよさそうです。
屋根の銅板も良い緑青具合で馴染んでいます。
それから更に北に歩を進めていくとシザの初期の設計のレストランBoa Novaがあります。
見えてきました。
小高い丘の上に立つ重心の低い建築。
白の塀がクランクしながらエントランスへ導いていきます。
着いたと思いきや、扉が閉まっており、嫌な予感。
覗くと人影があり、ノックをすると出てきてくれました。
今日は団体の予約でランチはやっていないとのこと。衝撃の事実。
日本からメールで予約して来たとメールを見せると、「ごめん、明日来てくれる」と言われてしまう。
「明日は来れない。少しだけ内部を見せて欲しい」と伝えると10分程度ならいいよと中に入らせてもらうことができました。
エントランスから階段を降りてレストラン部分へ入っていきます。
三種類の窓があり、下方向に光を落とす窓、海の水平線を切り取る窓、岸壁を切り取る窓、目的に応じて窓の設計がされています。
お掃除中すみません。
チークの天井と床が美しい。
台形の窓からの光が天井を舐め、ハイサイドの窓からは壁際のテーブルに優しい光を落としています。
天井の板材を伸ばしたデザインもユニークです。
あー、ここで食事したかった。
テラス席です。
分厚く深い軒下空間が海と岸壁の環境を取り込んでいます。
ズバッと水平に切り取られた窓の奥に床から天井までの大きな開口。
どんどん海に溶けていくような窓のレイアウト。
天井の高さも高すぎず低すぎずちょうど良い感じ。
今度は空に溶けていくような開口。
あえて段々に設けていくレイアウトが心に少しばかりの不安定さを感じ、それがまた心地よく高揚感を抱きます。
上品でユニークなラウンジと階段部分。
遊び加減がちょうど良い具合で、素材がうまくはまっていています。
壁のデザインが階段の上っていく動作と同調していておもしろいです。
傍に建つ教会から見ます。
窓のレイアウトと屋根の形状が良く分かります。
ほとんど屋根と窓の建築と言っても良いかもしれません。
短い時間でしたが、見れて本当に良かったです。
午後からはシザの集合住宅と建築大学へ。
-設計工房フウカ-
奈良県生駒市を拠点に主に住宅設計を中心に活動する一級建築設計事務所。
土地探し、新築・リフォームの注文住宅の設計、店舗デザインまで。
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