設計事務所時代の友人が奈良に来てくれることになり、雪もちらつく中、奈良公園をフラフラと散歩することに。
まずは正倉院を見に行きました。
閉門の15:00前にぎりぎり間に合いました。
2年前に屋根の改修が終わっています。
反復で並んだ60cm径の柱、校倉造りの分厚いボリューム、美しい少し反りを持った屋根。
ピロティのある高床式のつくりですが、シンメトリーの安定的で力強いかたちです。
1300年の間、この地に存在している意味や残っている理由を考えさせられます。
東大寺にも久々に行ってみました。
どしっとした屋根が奈良の象徴的な風景になっていると思います。
大仏殿は2度の火災にあって1691年に再建されたものです。
正面の唐破風屋根が特徴的です。
東大寺の模型。
当初のものは重心も低く、屋根もシャープで端正な佇まいです。
どこか朝鮮的な建築を感じさせます。
今のものを見ると高さも高くなり、屋根のバランスもぽてっとしていて柔らかい印象に思えます。
時代によって東大寺の屋根の見え方も違ったのでしょうね。
東大寺の屋根は歩いていると目に入ってくるもので、奈良の原風景にもなっているかと思います。
東大寺から二月堂に向かう途中にある大湯屋。
日本最古の浴場です。
当初は寺院の僧侶のお清めの場だったらしいですが、鎌倉時代に入湯料を取って庶民に解放したそうです。
先日届いた、堀部安嗣先生の「建築を気持ちで考える」の中で紹介されていて、
「非対称の優美なフォムルに心惹かれる。」と書かれています。
正面が入母屋になっていて、反対側は切妻屋根になっています。
一段上がった腰屋根の部分はお湯の湯気を外部へ抜いていたと考えられます。
屋根と壁のプロポーションが美しく、背景の樹々にとても自然に溶け込んでいます。
二月堂へ向かう大好きな道。
斜に二月堂に向かって伸び、階段の段数も心地よくリズムがあって心地よいです。
二月堂へ。
お水取りも近くなってきました。
奈良国立博物館でもお水取りに因んだ展覧会が会期中です。
今年は行ってみたいと考えています。
久々にゆっくりと公園内を歩いてみましたが、鹿が歩き、古の建築群が並び、ゆっくりとした時間が流れていました。
建築の意味や命の長さ、普遍的な美しさ、たくさんのことを投げかけられ、考えさせる場所です。
-設計工房フウカ-
奈良県生駒市を拠点に主に住宅設計を中心に活動する一級建築設計事務所。
土地探し、新築・リフォームの注文住宅の設計、店舗デザインまで。
お考えの方はお気軽にご相談を下さい。
〒630-0212 奈良県生駒市辻町881−11 クレスト パーク 東 生駒 101