FUUCA ARCHITECTURAL DESIGN

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三条の家子世帯

鉄工所を営まれた工場があり、改修し3世代が住むという計画から話は始まります。今後どのくらいのスパン使うのか、求める家の要望や性能、改修費用などさまざまな要素を整理しながら計画を進めていきました。そうする中で、次の世代への受け継ぐという長いスパンで考えた時に、大きな工場を改修するよりも、必要な要素を取り込んだ２世帯住宅を新築で建てようという方向に転換していきます。

子世帯は道路から適度な距離を持ちながら、道路に面した鍼灸院と庭を挟みながら配置されています。
玄関には大きな庇が出迎え、親世帯との共有スペースになっています。玄関は通り土間となっており、LDK、パントリー、SIC、和室のそれぞれにアクセスしています。
LDK空間は床にはタモのフローリングを採用しました。6尺のフローリングを効果的に使えるよう朝鮮張りとしています。大工造作のコーナー窓からは庭の緑を美しく切り取り、掃き出し窓は引き込みとしデッキスペースと内部の連続性を計っています。大きな障子は砂漆喰の壁に柔らかな光を与えてくれます。
Ⅱ型のキッチンは大工造作でつくっています。あえて荒く仕上げた幅のランダムな桧板を黒く塗装し、鍼灸院の焼き杉の壁との関係性を持たせています。テーブルから続くナラの長テーブルは家具業者にオーダーし、キッチンダイニングの一体性を持たせています。

2階には水回り、ファミリークローク、寝室、子供部屋を配置しています。床は柔らかな肌触りが特徴の杉の一等材を採用しました。

共働き家庭が増える中で、同じ土地で家族が適度な距離感を保ちながら、心地よく住まい、子供を育てていく。2世帯住宅、3世代住宅の有意義を見出すことができた計画になりました。今後長くに渡って家が使われ、次の世代にも引き継がれていくことを願います。