菖蒲池の家です。
今日、引渡しを致しました。
クライアントと出会って、竣工までかれこれ1年半。
フウカのホームページを見つけて頂き連絡を頂きました。
土地は1.7m程高低差がある新興住宅地。
何度かプランニングを重ねながら、最終的に1.7mの高低差のある土地に対して中腹あたりで家に入り、そして家の中で半分上りLDK階に辿り着くという計画になりました。
クライアントに当初から「格好良くはして欲しいが、周りの家とかけ離れたデザインはして欲しくない。」という要望を頂きます。
クライアントの意識としてその言葉を聞けたのがとても嬉しく感じました。
振り返ってみると、今までどちらかというと既存市街地に対しての新しい建替の計画案が多く、今回のような新興住宅地の中では条件付き物件の土地がほとんどということもあり案件も少なかったのです。
既成の住宅地の場合、その環境の歴史や街としての集合体の特徴を考えたり、感じ取ったりしながら、その風土に合うような家づくりをしてきました。（環境によってはあえてその家の集合体のマイノリティになるような家もつくることもあります。）
しかし、今回に関してはここ数年で建った家の集合体があります。
独りよがりな建築を生み出してしまうと、私たちは後ろ指を指されることになります。
ハウスメーカー、地域のホームビルダーの家の集合の中で設計事務所としてどういう家をつくっていくかは今回の計画でひとつ大きな課題になり、新しい挑戦になりました。
街に馴染みながら、時間を重ねることができる家ができたと思います。
内部は南東に大きな庭をつくり、そこにたいしてLDKは大きく開口を取り外部環境を積極的に取り入れています。
リビングとダイニングは少し距離をとって雁行に配置することによって奥行を出しています。
リビングは60mm巾の杉板を頂部でRに張り、柔らかな空間に、そして庭に自然と視線が向くようにしています。
壁と杉板の天井のスリットからは床暖房の暖気を溜めて寝室に空気を流す役目もあります。
暑い夏を待って9月には植栽工事予定です。
庭が待ち遠しいです。
設計工房フウカ-
奈良県生駒市を拠点に主に住宅設計を中心に活動する一級建築設計事務所。
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