先日、當麻寺に行っていました。
役所調査の帰路で當麻寺の標識が目に入り、引き寄せられて訪れました。
門をくぐると二上山など奈良と大阪の県境の山々が見えます。
神社や寺でこのような山の風景を切り取られた場所を体験しますが、山を見て門をくぐることで違う領域に入るような感覚を得ます。
東西にある三重塔は写真の金堂を中心に配置されています。
金堂の中には弥勒仏坐像と四天王が祀られています。
残念ながら四天王の2体は修復中でした。
写真には撮れませんでしたが、南側からの絞られた開口から金堂内部に唯一光が入り、
仏像の彫りの陰影をがとても美しく見えました。
本堂には曼荼羅、講堂には當麻寺の近くのお寺にあった仏像が安置されています。
中之坊の香藕園(こうぐえん)の入り口です。
大和三大庭園に数えられる片桐石州の庭。(もう二つは竹林院と慈光院)
回遊式の庭になっており、建築の周りをぐるっと回って楽しめる庭です。
塔やそれが建っている斜面の緑の風景も取り込んでいます。
境界となっている塀はとても低く、庭の造形と斜面の緑を上手く線引きしています。
塀は腰ほどしかなく、瓦の笠木には苔生していました。
書院や茶室に座った際も圧迫感はおそらく与えず、より庭に立体感を得ていると感じました。
茶室、書院が雁行しながら配置され、それに沿うように池がつくられています。
四畳半の丸窓席。
茶室「知足庵」。二畳中板という、一畳+板間+一畳という一対一で客人のもてなす茶室。
開口は制限され、暗闇を感じるような空間。
静寂の中、緊張と親密さを持って客人と対峙していたのでしょうか。
石州もとても好んでいた茶室だったそうです。
-設計工房フウカ-
奈良県生駒市を拠点に主に住宅設計を中心に活動する一級建築設計事務所。
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