7時からサンピエトロ大聖堂が開いているのを狙い、朝散歩しながら向かいます。
夜明けのサンタンジェロ城。
歴代のローマ皇帝が埋葬された霊廟。
15世紀には教皇の避難場所として機能していたそう。
映画「天使と悪魔」ではサンピエトロ大聖堂の地下とつながっていました。
橋の両脇に並ぶ天使の像。
サンピエトロに着くと長蛇の列。
そして何かの違和感。
警備員に聞くとどうも13:00までは内部に入れないとのこと。
調べると今年は聖年の扉が開くという聖年にあたり、世界各国から巡礼に訪れるということ。
2000年以来ということで、朝からどしどしと人が集まっていたというわけです。
しかしながら、全くそのありがたさを感じられない日本の私と妻。
午後から出直し、内部を見学。
天井の意匠はフォロロマーノでみたヴォールトに通じるところがあり興味深いです。
それにしてもこんなに巨大で煌びやかな空間だったかとただポツンと眺めるだけで、
あまり感慨深いものもなく去りました。
ただ貴重な年に訪れて、キリスト教信仰の熱を肌で感じることは少しできたかなと思います。
パンテオンへ。
写真を撮っていてこんなにもまらないなという建築もめずらしいです。
そのくらい巨大でただただ天を仰いでしまう。
Pantheon(パンテオン)はPan=すべての、theon=神という意味で、ローマ帝国に移民が増え、信仰している宗教に関係なく訪れることができる場所として建設されたもの。
前室の屋根を見上げたところ。
コリント式の列柱の上に梁があって、その上にアーチの束のようなものが見えます。
屋根は意外にも木で構成されています。
裏側のクーポラ部分です。
アーチが見えたり、三層の水平ラインの意匠が見えたり面白いです。
水平ラインがあることでプロポーションが締まって美しいです。
アスプルンドのストックホルムの図書館を思い出します。
ローマからヴェローナへ移動。
アローナにほど近い、ホテルボローニャにチェックイン。
スタッフも気さくで品があり良いホテル。
まだ日暮れ前なのでスカルパのヴェローナ市民銀行を見に行きます。
今回の私のイタリアの目当てはスカルパ建築の一言に尽きます。
写真集で何度も見ながらも、目の前にするとただただ立ち尽くします。
なかなか言葉で伝えるのは難しいですが、
素晴らしい素材の使い方と組み合わせ。
手のぬくもりや優しさが伝わるようなディテール。
そして何より何より遊び心があり、楽しい建築です。
全体を眺めたり、荒っぽかったりさらっとしていたり素材を撫でてみたり、飽きることがありません。
スカルパ特有の段々になった石の表情をどう感じるか楽しみでしたが、嫌らしさはなく、建築に厚みを与えていたり、見方を変えるととても鋭利な表情を出していたり、多面的な顔をつくっているように感じました。
スカルパ特有の開口。
彫塑的な壁とその奥にガラスの面がある2重の構成。
夜になるとアローナのある広場の面するレストランが活気始めます。
どのレストランにしようか悩むのも楽しいです。
北イタリアはどこか落ち着きがあって好みです。
明日は楽しみなカステルヴェッキオ城へ。
-設計工房フウカ-
奈良県生駒市を拠点に主に住宅設計を中心に活動する一級建築設計事務所。
土地探し、新築・リフォームまで注文住宅をお考えの方はお気軽にご相談を下さい。
〒630-0212 奈良県生駒市辻町881−11 クレスト パーク 東 生駒 101