週末に妻の方の家族とともに若狭、三方五湖へ旅行に行ってきました。
ちょうど3年ぶりくらいの三方五湖。
先ずは内藤廣さん設計の福井県年縞博物館へ。
宙に浮いた屋根のフォルムが風景に溶け合っています。
天井の杉材は焼けて良い風合いになっていました。
線の整理、目地の取り方が本当にきれいです。
毎年夏と冬、花粉や黄砂、落ち葉やプランクトンなどが交互に堆積することで縞模様の地層が三方五湖の真ん中の水月に生まれていきます。
その年月は7万年にも遡ります。
世界中にも年縞が取れる場所はあるそうですが、7万年途切れずに採取できるところは世界でこの場所にしかないそうです。
水月湖は推進34mほどと深く酸素もないため、水中の生物がおらず水底が荒らされないこと、三方五湖の三方湖などが周りの山からの土石流などを吸収して直接には水月湖に流れこまなかったなど、偶然の条件がいくつも重なり、長い年月安定した水の底の環境を得られたことにあるようです。
堆積した花粉からはその時代の温度、黄砂からは季節風の向きや強さなどの分析ができるそうです。
写真は喜界島のカルデラの巨大噴火の灰がここまで飛んできたことを表しています。
厚みをみても相当大きな噴火だったことが想像されます。
こちらはお隣の若狭三方縄文博物館。
大学院の恩師の横内敏人先生の設計です。
内藤さんの博物館が水平の建築だとすると横内先生の博物館や垂直を感じる建築です。
コンクリートの筒が築山からニョキニョキと出ています。
横内先生は前川國男事務所におられました。その先を辿るとル・コルビジェに着きます。
今回は横内先生とコルビジェの通じるものを感じることがありました。
お会いする際はお聞きしてみたいです。
内部に入ると地下へと潜っていきます。
土の中にいると感じます。
天を見るとぽっかりと光の穴。
ただただ仰いでしまします。
いっしょに行った家族は風の谷のナウシカの腐海の森の底の光のようと言っていました。
なかなか鋭い感想でした。
少し歩くと横内先生設計の縄文プラザがあります。
今は里山佐藤三湖研究所として使われており、湖の生体の展示や望遠鏡を覗いてバードウオッチングをしたりできます。
梁も角材の製材せずにおおらかに使っているのが印象的でした。
この地方に見られる舟小屋からインスピレーションを得ているとのことです。
目線の景色を損なわないように上部に採風窓が取られています。
建築の下層には湖にでるボートが停められています。
こちらは博物館から北に5分ほど車で走ったところにある舟小屋群です。
丸太と藁と竹でつくられた原始的な建築です。
水産物を運ぶために舟をつかった水運が発達しこの地域では舟小屋がたくさんあったそうです。
対岸に道ができたことにより、その機能は必要なくなりいまは歴史的観点での保存がされています。
山と海、湖に囲まれた風土で食もとても美味しい土地です。
次回訪れる際は宿場町なども行ってみたいと思います。
-設計工房フウカ-
奈良県生駒市を拠点に主に住宅設計を中心に活動する一級建築設計事務所。
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