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フィンランド ヘルシンキ②

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10/2 朝6時に起床。
気合が入っているのか、気がまだ落ち着かないのか。
どちらにせよ、早起きはいいことです。
北海道の大学から来ている先生と学生さんと一緒に朝食をとる。
ノルウェーとデンマークとフィンランドを旅行中とのこと。

7時半に出発。
マーケット広場へ向かって歩く。
フィンランドはこじんまりとした都市で時間が許せば徒歩で結構移動できるスケール感。
電線、電柱がないだけでも町並みはこうも違うもんですね。

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マーケット広場に到着するが、まだ用意中のところが多い。
奥にスオメンリンナ島行きのフェリーが発着しています。

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思いのほか時間が余り、中央駅に向かう。

ヘルシンキ中央駅
設計:エリエル・サーリネン
1919年竣工

内部のプランは直線的な形態ですが、3方に開かれた終着駅らしい計画。
花崗岩を使用して、ディテールも装飾が多く見られて、ナショナル・ロマンティシズムの建築を見ることができます。
これから多くでてきますが、銅がとても似合う風土だと感じました。

時間もあまり、ROBERT’S COFFEで若山さんの本の続きを読む。
日本と欧米の比較がとても興味深い。

10時になり、ツーリストインフォメーションでヘルシンキの路線図などを入手。

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サノマハウス
設計:アンティ・マッティ・シーカラ
Töölönlahdenkatu 2 00100 Helsinki, Suomi

ガラスのファサードで覆われた複合用途の建築。
中央駅の西側にあります。
敷地の対角線を貫くように通路があり、ミュージックホールや国会議事堂へのアクセスするようになっています。
面白さはないが、機能的で明快な建築でした。

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キアズマ(国立現代美術館)
設計:スティーブン・ホール
Mannerheiminaukio 2 00100 Helsinki
月曜休館、第一金曜日の17:00以降は無料で入れます。

とても楽しみにしていた建築の一つです。
スティーブン・ホールの建築は博多のネクサスワールドを見て以来。
あの時も扉や窓周りやボリュームの切り取り方が彫刻的でおもしろいなと感じましたが、
キアズマではより強く、随所で感じました。

右のカーブするボリュームと左の直方体のボリュームからなる建築。
その二つのボリュームが吹き抜けとなって、回遊するように展示室を巡ります。

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これがその吹き抜けです。
とても柔らかい光が白い空間を包んでいます。
白は白でもスロープの腰壁はツルツルとしたコンクリートで、展示室の壁は杉板型枠のようにザラっとした質感で仕上げられています。スロープ部分がより浮きだって強調するような形に見えます。

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手すりのディテール。
一見、何でこんなことするんだろうっていうディティールなんですが。
見る人が見ると大雑把なデティールだなって感じる人もいるかもしれないです。
ですが、それが全体に統一されていて、彫刻のような芸術性を感じさせます。
床や壁、手すり、照明、階段、扉。全てにフェイク感はなく、ただそれと言っていやらしい贅沢感もなく。
ただただ無垢を使いましたという感じでとても好感を持てます。

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2Fの吹き抜けにあるホールから街を望んだ部分です。
インスタレーションはオフィス自体をこの部分で展示しているようです。
黙々と気にせず、仕事されています。
美術館と街との連続感というか、距離感もとても良くできています。

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これは気になった展示です。
Aamu SongとJohan OlinさんからなるCOMPANYというデザイン事務所のSecrets of Russia(テーマだけでも惹かれる)という展示なのですが、ロシアの伝統的な技術を使って、COMPANYが現代的にすこし笑える微笑ましいプロダクトを展開しています。
ヘルシンキにショップもあるみたいです。
みんな展示を見て微笑んでる姿が良かったです。
こういう感じのプロダクトが日本にも多く生まれるといいですね。

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彫塑的な階段。
とても惚れ惚れしてしまします。

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1Fの北側にあるホールの待合室です。
ここでは壁に青いフェルトを使っています。
黄色の部分はおそらくカバ材の突板だと思います。
とても感性を刺激するような色使いです。

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お昼のカフェはいっぱいです。
こちらも色使いが絶妙ですね。
少し日本の古色を感じさせます。

フィンランドの駅前にできた、アメリカ人建築家がデザインした先進的な美術館ということで、
地元では賛否両論あったらしいですが、僕は街への連続性も感じるし、フィンランドに芸術や人を刺激する建築ができたことはとても大きな功績なのだと思います。

 

-設計工房フウカ-

奈良県生駒市を拠点に主に住宅設計を中心に活動する一級建築設計事務所。

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