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フィンランド ヘルシンキ③

10/2 続きの午後から。

キアズマから北側に位置するヘルシンキ音楽センターへ

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ヘルシンキ音楽センター
設計:LPR
竣工:2011年
Mannerheimintie 13a 00100 Helsinki, Finland

低く抑えられたボリューム。
2つのボリュームが入れ子になっている建築です。
緑のガラスと石が相まって美しいです。

ヘルシンキでの音楽ホールと言えば、このあとに出てくるフィンランデルフィアホールなのですが、
音楽ホールとしては音がこもってしまうようで、あまり良い評価を得れなかったようです。
その中で待望の音楽ホールです。
音響設計は永田音響設計が担当しています。

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お昼はレストランでランチブッフェがあり、スーツを着たサラリーマンで賑わっています。
名刺交換中のようです。
昼も夜も良い社交の場になっているようですね。

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右手の茶色のボリュームが音楽ホールにあたる部分です。
入れ子になっているのがよく分かります。

ヘルシンキフィルハーモニーの活動拠点になっているそうです。
音楽好きの人は行ってみられてはどうでしょうか。

少し北に歩き先ほど話に出ましたフィンランディアホールへ

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設計:アルヴァ・アアルト
竣工:1971年
Mannerheimvägen 13 00100 Helsingfors, Finland
ガイドツアーあるようです。
http://www.finlandiatalo.fiで調べていただくか
servicepint@finlandiatalo.fiでも受け付けているようです。
トラム4、4T、7B、10 kansallismuseo Nationalmuseet 下車すぐ。

低層部は水平性が強く、上部は縦長の窓とルーバーが規則正しく配置され垂直性を感じるリズミカルな
建築。
トーロ湾岸に建つ会議場兼音楽ホール。

外壁はイタリア産の大理石が貼られています。
イタリア産の大理石はこの地の気候に対しての耐候性に弱く、剥離する恐れがあるので、
現在はアアルトの建築補修以外への外壁利用は禁止されているとのことです。
少し丸みのついた大理石が、影を作り、外壁に表情を持たせています。

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2階のホール部分。
階高は抑えられ、横長の開口がトーロ湾の景色を切り取っています。

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アアルトの階段部分に多く見られる、並べらた長方形の窓。
空への視線の抜けと、これからメインとなる会場へ向かう気分的な高揚をより強くさせます。

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少し疲れ、トーロ湾を眺めながら休憩。
これらの家具もアアルトの設計。

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14:00から国民年金会館のガイドツアーに参加。

国民年金会館 kansanelakelaitos
設計:アルヴァ・アアルト
竣工:1956年
Nordenskioldinkatu 12
月~金まで14:00からガイドツアーをしています。
petra.leikas@kela.fiで要予約。
トラム3T、4、4T、7B、10 kansanelakelaitos Folkpensanst 下車。
駅から向かうと左手(西側に見えます。)

アアルトのヘルシンキ初の公共建築。
正面は少し閉鎖的ですが、反対側の住宅地に対してはとてもオープンに開かれています。
ピロティーを通って反対側に通り抜けることも可能だったようです。

扉が3つありますが、一般の人々と従業員用に分けられていたそうです。
アアルトデザインの取手とここでもブロンズの素材。
よく似合う。

この日は僕を含め、二人。
アルゼンチン出身の建築家といっしょにツアー開始。

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ホール部分。
ここでもアラビア特注のタイルが使われいます。
少し壁を斜めに振って、スリットをつくるあたりがなんともにくい設え。

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当時の従業員の机です。
これが連続的に並べられ、それぞれスモールオフィスが確保され業務にあたっていたようです。
アアルトらしいディテールが散りばめられていて、羨ましい限りです。

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この図書室の居心地がとても良いです。
半階下がった読書スペース、均等に配置されたトップライト。
このトップライトはロシアのヴィープリ図書館がもともとの実例とのことです。
本棚をテラス、ゴールドの照明はオリジナルで、ホワイトのものは新しく作ったとのこと。

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トップライト。
この筒状のトップライトですが、とても柔らかい光で、直射日光が入らないように設計されています。
色づく緑が見える。

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食堂です。
中庭が見える食堂でとても緑が近くにあって気持ちがいいです。
中庭に面した部分が一段上がっていて、より親密になっています。
上に見える白い輻射熱パネルで温水を流して、室温を調節するよう設計されていたとのこと。

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中庭です。
緑も色付き、とてもいい季節でした。
夏は外にテーブルを出してランチするようです。
フィンランド人は太陽が大好き。夏休みはスペインやタイにバカンスしに行くのが贅沢らしいです。

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三角形のスカイライト。
当時、年金手続きをするホールに光がおちていました。
現在、フィンランドは保険や年金などひとつのカードにIC化され個人登録カードで一元化されているようです。
進んでいますね。

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会議室です。
ハイサイドがぐるりとあって、適度な光を取り入れています。
家具はもちろんアルテックです。

見た中のアアルト建築でも計画、ディテールともに良かったです。
おすすめです。

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会議室です。
ハイサイドがぐるりとあって、適度な光を取り入れています。
家具はもちろんアルテックです。

見た中のアアルト建築でも計画、ディテールともに良かったです。
おすすめです。

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テンペリアウキオ教会
設計:ティモ&トゥオモ・スオマライネン
竣工:1969年
Luthergatan 3, 00100 Helsinki, フィンランド
開いてる時間は季節によって違うみたいです。
土日は行事で見学できない場合もありますので、調べて行かれることおすすめします。

トラム3T、Kauppakorkeakoulut下車、東へ徒歩5分。

岩をくり抜いてつくった教会。(聞いた話によると、掘ったというより岩を爆破しながら穴を作った聞きましたが。)
確かにヘルシンキを歩いていると岩盤がとても多い。
その中に教会つくるなんで、先進的な発想だけども、とてもラディカルな祈りの場でもある気がします。

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低く抑えられてたエントランスをくぐると、岩と光に包まれた空間に。
コンクリートのルーバーがとてもきれいです。

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天井はブロンズの線状のものがぐるぐる円状に巻かれています。
大きなコイルにも見えます。
転がしていくとどのくらいの長さになるんでしょうね。
コンクリートのルーバーが細すぎて、銅板が浮いて見えます。
まぁ、すごい教会です。

帰りに、国立博物館、デザイン博物館を見学。

ストックマンのデパ地下の品揃えは素晴らしいです。
夕食に困ったら、ここのデリがおすすめです。
言ったら料理も温めてくれます。

明日はいよいよ、アアルトの住宅へ。

 

-設計工房フウカ-

奈良県生駒市を拠点に主に住宅設計を中心に活動する一級建築設計事務所。

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