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フィンランド ヘルシンキ⑤

10/3 昼からアアルト自邸へ

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アアルト自邸
設計:アルヴァ・アアルト
竣工:1936年
Rievägen 20 00330 Helsingfors, Finland
連絡先はアアルトのアトリエと同じ。
5-7月、9月 火-日 13:00-18:00
8月 毎日 13:00-18:00
10-4月 火-日 13:00-17:00
毎時ツアースタート
17€(アアルトのアトリエも参加していれば12€にしてくれます。)

白いボリュームに細い木で覆われた箱がのったような住宅。
正面のファサードは少し閉鎖的だが、中に入ると明るい庭に開けている。

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塀、木々、建築ボリュームがリズムよく配置されている。
塀の上の笠木や木のボリュームと白いボリュームの間は波板鋼板を使用しています。
内部もそうだが、素材感は質素で低予算でいろいろ試みている感じ。

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リビング部分。
自分が思っていたより、スケールは小さかったです。
とても心地の良い大きさで、玄関、ダイニング、リビング、事務所の動線もうまく回遊的に整理されていて、
とてもヒューマンな大きさと温かさを感じる住宅でした。
ここまでのいくつかアアルトの建築を見て感じたのは、とても基本的な条件(その風土や環境に対してのプランニングや光の取り入れ方など)を捉えて設計していること。
普通に人が気持ち良いと感じれる要素が入っているような気がしました。
住むにあたっては特に大事ですね。
建築が詳しくない人達が見てもいい住宅だったようです。

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リビングから庭を見たところ。
アアルトの設計した建築の庭って傾斜しているのが多い気がします。
たまたまそういうのを見たのかもしれませんが、自然の全体の中に自分がいる気分になるんです。
連続の中にいるというか。
傾斜っているのはそういう力がはたらくのかもしれませんね。

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ダイニング。
ここもこじんまりとしながらも気持ちの良い空間。
照明の高さも落ち着いた食卓になっている。
左手の壁にはフェルト素材に押さえ縁を打ったもの。
押さえ縁の感覚は確か600mm程度。
ダイニング部分で特に感じるのですが、使い勝手などを考え工夫されたカップボードなど、
アイノ・アアルトという人の才能の驚かされます。

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アトリエ部から半階あがった書斎。
大学の授業で見たこの映像のスライドが未だに頭に残っています。

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アトリエ部分。
アアルトは日本の影響を受けていたようで、リビングの引き戸もそうですが、ここでもサイザル麻のような素材を腰壁に利用していたりしています。

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ヘルシンキ市立アートギャラリー(Helsingin taidehalli)
竣工:1928
Nevanderinkatu 3
www.taidehalli.fi

1920年代古典主義建築の代表作。

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Tomas Saracenoという人の展覧会。
ある一室に蜘蛛の巣が張り巡らされているという展示。
内容はあまり理解できなかったけれど、すごい作品。

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Kamppi Chapel
設計:K2S Architects
竣工:2012
Simonkatu 7, Helsinki, Finland

カンピにできたモニュメント的な教会。
ガラス宮の横にあります。
卵っぽい球体のようなイメージで行ったら、舟形というか桶型みたいな形でした。
導入部も境界部分も少し抑揚がない感じの印象でした。
天井の光の入れ方が安藤さんの瞑想の空間(フランス・ユネスコ)を彷彿とさせます。
人工照明なしの光が見たかったです。

まだまだ続きます。

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ガラス宮(ラシパラッツィ)
設計:ニーロ・コッコ、ヴィルヨ・レヴェル、ヘイモ・リーヒマキ
竣工:1936年
Mannerheimintie 22-24 Helsinki, Finland

フィンランド機能主義建築の代表作。
中央駅の西側に位置し、トラムの乗り換え地点ということもあって、ヘルシンキの馴染みの風景になっていると思います。
白い壁とガラスの透明性を全面に出した建築。
レストランやカフェ、店舗、映画館などが入っています。
アアルトの自邸と同じ年にできていることになるけれど、
先ほどの市立アートギャラリーからすると10年もたっていない間にこれらの建築が生まれているのだから、
文化の発展は目まぐるしいなと感じます。

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一度、宿に帰り、カウニステというテキスタイルショップに行く。
Uudenmaankatu 27

宿もこの通りにあるのだけれど、歩いてみるとギャラリーがあったり、マリメッコ マリキスカ(住所:Uudenmaankatu 13 マリメッコの試験的な商品が買えたりする。)など小さいショップやカフェもあって、
散策するのも面白いと思います。

カウニステでお土産を買おうと入ったところ、日本人の方がカウンターに座ってたんです。
話をしていくと、こちらに住んでいて、何人かのデザイナーとカウニステを設立したそうです。
日本語のホームページがあることに腑が落ちました。
とてもかわいいテキスタイルを作っているので、ヘルシンキに行った際にはぜひ。
日本でも取り扱い店あります。

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アカデミア書店
設計:アルヴァ・アアルト
竣工:1969年
Pohjoisesplanade 39,Helsinki
9:00-21:00(土18:00まで)

言わずと知れた、アカデミア書店とアアルトカフェ。
そう。かもめ食堂で小林聡美と片桐はいり(実名でごめんなさい)が出会うところです。
片桐はいりがガッチャマンの歌をさらさら紙にかきながら歌うんです。

遅くまでやっているので、ここ数日閉店一時間前に来ては立ち読みをして、会う日本人に会釈をしては帰る毎日。
ということで、僕は昼のアカデミア書店を見ていません。
写真も自ずとそうなります。

先日の年金会館の図書室も後々出てくるストックホルムの市立図書館もそうなんですが、「本が主役です」っていう計画と照明ですね。
思わず、本を取りたくなるような。
日本と比べると平積み部分も多いですし。
毎日通いたくなる本屋です。
今日もユハレイヴィスカの建築本を買うか悩んだ末に手ぶらで帰りました。

 

-設計工房フウカ-

奈良県生駒市を拠点に主に住宅設計を中心に活動する一級建築設計事務所。

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